samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

最近みた夢

お題「最近見た夢」

自分の役目ー訪問看護ステーションの管理者、母親、妻、祖母、義母と相手によって立場がいろいろある。ゆえにストレスも抱えている。以前は、階段から落ちる夢、地面を無数の毛虫がうめつくし払いのけている夢、階段をあがると2階の床が抜け落ちている夢を多くみていた。寝ていても神経をすり減らし、朝起きたときの気分の悪さ・・・また朝がはじまった憂うつ感さえあった。

アドラー心理学と出会い、自分にできていなかった「課題の分離」ができるようになり、また著書に書かれていることを実行するようになってから、最近夢を見ない。

実践することー朝起きたら「爽快だー」と言って起きる。寝るとき「良い一日だった。ありがとう」と言って寝る。体調が良くても悪くても「爽快だー」という事。何日か実行していくうちに、不思議な事に爽快に起きれるようになる。感謝して寝るとぐっすり眠れるようになる。

今までは毎朝起きた時に嫌な夢を覚えていた。覚えているからこそ、嫌な気分になった。私にとって夢を見ないこと、見ていても覚えていないことが嬉しい現実である。

最近みた夢はない。

最期の写真

70代男性肝臓がん末期状態。CVポート管理で在宅移行となった。自営仕事をしながら妻は介護にあたる。嫁いだ娘さんは病院の看護師。2か月後に結婚式をあげるという。父親である患者さんは、結婚式出席を夢見ていた。しかし、どんどん進行する病状。あまり残された時間がなかった。看護師の娘さんに会う機会があった。現状を説明し、残された時間がない事や娘さんの花嫁姿を見ることをとても楽しみにしている事を伝えた。しかし、式場はすでに予約している。変更はできない。 せめて花嫁姿だけでも見せてあげてくれませんかとお願いした。

無理を言っていることはわかっている。でも患者さんの娘さんに対する深い愛情に応えたかった。娘さんは水面下で準備をして下さっていた。親戚にも声をかけてくれた。

当日、娘さんはウエデイングドレスを着てとてもきれいだった。娘さんの彼氏もタキシードを着られた。15人ほどの親戚の方も着物をやタキシードを着て、すべて正装で出席して下さった。呼吸困難が出現していたため、患者さん本人にタキシードを着せるのに看護師二人でも苦労した。

全員で記念写真。SpO2値がかなり低かったが、写真撮影の10分程度、酸素は外してくれと言われた。娘の晴れ舞台にきちんと写りたいと・・・

黄疸が強く、あまりいい顔色ではなかったが、最高の笑顔だった。

それから2日後、天国へ旅立った。

2週間後、ステーションへ娘さんから手紙が届く。自分は小児科勤務で看取りの経験がないので病期がわからなかったと書いてあった。残された時間がない事を教えてもらい、家で父親と一緒に結婚式の写真を撮ることができ一生の思い出となったと感謝の気持ちが書かれていた。手紙とともに全員で移った写真が表装されて同封してあった。

今でも時々、机の中から取り出すこと写真。私達の心に残る思い出となった。

 

 

何が正しいか

75才男性。長年の喫煙でCOPD発症。少しの労作でSpO2値80%代まで低下。

話し好きで昔話をして下さるのは嬉しいけれど、 5分で肩呼吸となりSpO2値が80%まで低下するので 一旦休憩をして頂くようにしていた。

お風呂好きで週2回どうしても自宅で入浴したいという希望で訪問看護開始となった。

居室から浴室まで7メートルほど歩く必要があるが、3メートぐらいの歩行でSpO2値70%まで低下する。酸素量増やし休憩しながら浴室へ到着。脱衣は全介助。上肢の等張運動でSpO2値が低下してしまうからだ。入浴動作は、さらにきびしかった。SpO2値60%まで低下してしまう。これでは 身体への侵襲が大きいため せめてシャワー浴にするように説得したが、聞く耳を持たなかった。

主治医に報告。認められないが、本人の意志で仕方がないと概ね目をつぶる許可がでた。毎回の入浴時にSpO2値60%まで低下するため、浴後の回復にかなりの時間を要した。看護師の心配をよそに、本人は大満足であった。

病期が進み、ターミナル期になっても入浴を希望された。「もしかしたら浴室で亡くなる可能性もありますよ」と説明しても「入浴中に死ねたら本望だ」と本人。

その日も入浴し、SpO2値60%下回ったが、浴後肩呼吸しながら「気持ちよかった」と言われ、その夜 救急搬送された。 そして2日後 永眠。

 しばらくして 自宅訪問。妻は「ご無理言ってお風呂入れてもらってすみませんでした。でも本当に主人感謝していましたよ。自分の思いをくみ取ってくれてありがたかったと。ありがとうございました」

看護師は本来、身体に侵襲のないように安全安楽にケアするよう考えることが必要である。病院だったら 実践できていなかったことである。在宅だからこそ、本人の希望を叶えることができた。実際 息苦しい様子を見ている看護師も辛かったことは確かである。しかし、亡くなる前に本人が感謝してくれたこと、妻も同じ思いだったことで、私達のケアが認められように思われ、救われた。

何が正しい看護か? 私は、患者の思いに寄り添うケアがしたいと思う。

 

心が折れる

スタッフの友人の看護師Aさんから訪問看護研修の依頼を受けた。

以前勤務していた訪問看護ステーションを1月に退職し、Aさんはいたく疲れていた。

以前の管理者は「医師の指示だから、点滴だけすればいいんだ」「指示がないのに細かいところまで介入しなくていい」といったように、自分のやりたい看護が全くできなかったと言われた。

訪問看護とはなにか・・・看護の力で患者さんの生活、健康面、精神面、を整えQOLを向上させること、ターミナルであれば患者さん家族が死を受容でき安らかに最期を迎えるナビゲーションをすること寄り添うこと・・・など私が話していくうちに、Aさんは大粒の涙を流し始めた。止まらない涙に、Aさんの辛かった思いが伺えた。

「前の職場では、私の考えが間違っているかとさえ感じました。でもそうじゃないことがわかった。よかった・・・・」

Aさんは早い段階での職場復帰を希望していたが、私はあえてゆっくり休むことを提案した。以前、私もこころが1回折れたことがある。そのような時に、患者さんのケアなんてとてもできない。まずは、自分自身の心と体をケアしないといけない。

「ゆっくり養生して、しっかり充電できたら、また来てください、いつでも迎えますよ」と話したら、また大粒の涙があふれた。

看護師だって人間。患者さんのために一生懸命働くのもいいけれど、自分自身が心身ともに健康であってこその看護である。あせることはないのだから、休むときは休む決断が必要だと思う。 いつでもどうぞ、待っていますAさん・・・

これからどうする

80才代老夫婦。妻は夫の暴力を結婚当初から受けていた。親戚、兄弟からは離婚するように幾度となく勧められたが、「でも、ほっとけない」と妻は言い、今に至る。

一人息子さんも父親の暴力で家をでて、音信不通状態。妻の兄弟も関わりたくないスタンスで、保証人も拒否。

妻は乳がんの骨転移末期状態。痛みで起き上がれない時もある、嘔吐して体調のすぐれない時もあるが、夫は午後5時になると「夕飯はまだか!何をぐずぐずしている」と怒り出す。妻は倒れそうになりながら、茶碗にご飯をよそい、買ってきた煮豆と一緒に夫のもとへ持って行くが、夫は気に入らないのか食べようとせず。妻の声掛けにも返事をしない。夫もやせ細り、常にゴロゴロ痰が喉にひっかっかている音がする。

今回、妻の抗がん剤治療のあと体調が優れないため、訪問看護の依頼があった。

初回訪問時は月曜日。ベッド上で息が荒い。ベッド周囲吐物で汚れている。嘔気嘔吐で土日全く摂食、飲水ができていなかった。ゴミ箱には、胆汁様吐物多量にあり。そのような状況でも、夫はストーブの前に丸くなり、たばこを吸っているのである。妻が苦しんでいるのに見向きもしない。早急に主治医に連絡。病院とも連携を図り、救急搬送となった。

夫の万年床には多くの煙草の焦げたあとがある。火事が心配だった。お金の管理は妻がしているため、どうするのか尋ねてみた。「金がなくなったら病院へ行くまでさ」  所持金は500円。食事の準備や掃除洗濯など支援が必要と思われたが、介護保険の申請、他者の介入もすべて拒否。地域包括支援センターに相談。同行訪問しても、らちが明かず。市役所福祉課に情報提供した。

一つのステーションだけで情報をとどめるのではなく、多くの関係機関と連携していくことが重要である。できれば民生委員にも見守りをお願いしたいところだが、2か月前に引っ越してきたばかりであり(前のアパートを追い出された様子)関係性構築が難しい。

今後、このようなケースばかりでてくると思われる。本人が拒否している場合、支援にも限界がある。妻の病状も心配・・・権利擁護も含め、さて これからどうする?

マイブーム

お題「マイブーム」

ここ2~3カ月で、体重が4kg増えた。夕食後のデザート、寒さを理由に動かないことが原因。

この年になると代謝が悪く、間食を減らしたくらいでは痩せない。

2週間前、病院勤めの友人に久しぶりに会った。以前より一回り小さくなって、痩せている。小顔が際立った。「痩せたねー、何やってるの?」「酵素と玄米にはまっているの。健康的に痩せようと思って」「どこの玄米?」「結わえるの寝かせ玄米。レトルトパックがあるから簡単だよ」 すぐインターネットで注文。10日間玄米ご飯(いろいろ味がある)のみ食べるチャレンジスタート。説明書には朝食は抜き、一日2食とあるが、さすがに仕事ができないので3食はしっかり玄米ご飯をたべた。噛み応えがあるため、満腹感も実感できる。1週間で1.2kg減った。 これはいいぞ! 健康的にやせている実感がある。

もとの体重に戻すまで しばらくマイブームとなるだろう・・・

ちょっとした贅沢

お題「ちょっとした贅沢」

冬の寒い日には、車の暖気運転が必要だ。しかし、エンジンが暖まるまで寒い車のなかで待つのもつらい。昨年、エンジンスターターをつけた。出かける10分前に、家の中からエンジンスターターのキーで車にエンジンをかける。車に乗り込む時には、エンジンも暖まっているし、車の中もほんのり暖かい。この時に、幸せを感じる。車が「さあ、仕事だよ。頑張ろうね」と私を元気づけているように思うのだ。

仕事帰りも同じ。事務所から駐車場まで50mは離れているが、ちゃんとエンジンが作動するのも驚く。車が「お帰りなさい」と迎えてくれる。

寒い時期に味わう、私の「ちょっとした贅沢」である。