アイート
90才のなった頃より食事が徐々に食べれなくなってきた。家族は高齢でもあるし
自然の状態で看ていきたいと希望した。一時は看取りまで考えた時期もあった。
患者さんは、歯が全くなかったが、話しをすることができた。
一度、アイートを試してみませんか?と勧めた。
アイートはイーエヌ大塚製薬が販売している摂食回復支援食だ。以前、営業マンが試供品を持ってきて下さり食べた時に、軟らかさに驚いた。見た目はそのままなのに、口の中にいれると自然にほぐれるほど軟らかい。
食事を摂るときに、まず目で見て食べ物を認知することから始まる。過去の記憶を呼び覚まし、おいしかった記憶があれば、唾液が分泌され食べる準備ができる。
この患者さんも、おいしいと言って食べた。毎食アイートになった。
「今日は、さばの味噌煮とクリームシチューにしてね」とメニュー表をすべて暗記するようになった。
「看護師さん、私の好きなパンもでたのよ」「へー、パンもあるの」
訪問の度に、アイートのメニューで話が盛り上がった。
今年、92才の誕生日を迎える。