samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

国家資格をとり初めての夜勤で患者さんの死を体験した。

38歳女性子宮がんで逝かれた。幼い子供が泣き叫ぶ中で、私は涙を流していた。

「看護師が泣いてどうするの!仕事にならないでしょう」と先輩看護師から怒鳴られた。その後、どのようにして働いたか記憶がない。

病院という大きな組織の中では、看護師一人の感情で業務が滞ってはいけない。

訪問看護をはじめてから、長い年月がたった。

「看護師さん、私はもうだめなの?」「どうしてだめだと感ずるの?」

「だんだん動けなくなってきた、体がとっても怠い」「ずーと寝ているのも苦痛ですものね。怠い手足マッサージしますね」

マッサージしながら、患者さんの生い立ちを聴きながら涙がでた。患者さんには気付かれないように、あえて涙をぬぐうことをしなかった。

帰り際、家族が言った。「一緒に泣いてくれてありがとう」

病院では患者・看護師という二次元的は関わりとなるが、在宅では(特に終末期)人間と人間という一元的な関わりになっていく。

 

その患者さんのナラテイブの中に、看護師の涙があってもいいのではないか。