家族からの手紙
~紫陽花が家々の庭を彩るころになりました。
父が大変お世話になり、ありがとうございました。父に少しでもいろいろなことをやってあげたいという思い、こちらのわがままをお聞き下さり、本当にありがたく思っております。選択が正しかったのかどうかは、今でも答えがでませんが、延命を選んでいても、今と同じことを思っていると思います。ただ、訪問看護師の方々が、最期の最期まで回復し、まだ何年も生き続けることができる患者のように、父に接して下さった様子を見て、この選択は間違っていなかったと思います。
病院以外で見送ったのは、父が初めてでした。以前、早朝に祖母を病室で見送り、外へ出た時、人が亡くなったのにこの明るい光は無慈悲だと思いました。
しかし、今回は、初夏の光と鳥のさえずりが父を迎えに来てくれたような暖かさを感じました。これも、私の迷いを払拭してくれました。また、どの看護師さんも凛とされていたことが、家族の者には心強かったということもお伝えいたします。
長々と書いてしまいましたが、皆さまには本当に感謝しております。
日毎暑さがましてきますが、一人でも多くの患者さんが私達のように助けられ、力づけられることを願っております。~
看取りをした後で、看護師自身、このケアで良かっただろうかと感じることがある。
しかし、こうやってご家族から手紙を頂くと、心が救われる。
この手紙で、一つの看護実績が証明された。どの患者さんもオンリーワンである以上、
多くの看護の積み重ねが、看護のスキルになっていく。
スタッフ全員に回して読んでもらった。涙するスタッフもいた。
“家族からの手紙” 看護師が癒される瞬間である。