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samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

施設入所

80代男性。一人暮らし。大腸がんを患い人工肛門(ストマ)造設しての退院であった。

一人でストマの処置ができないため、訪問看護が入ることになる。

きれい好きな患者さん。冬はストーブの上でアルミホイルにサツマイモを包み

焼き芋をつくっていた。部屋中、いい香りがしていた。漬物もつくる器用な方だった。

知人にお金をだまし取られ、貯金がなくなり、生活保護となった。

安いアパートに転居。

それまで民生委員やヘルパーさんの支援を受けながら生活できていたが徐々に、一人暮らしでは不安な要素が見え隠れしてくる。

料理ができなくなる。近くのスーパーに惣菜を買い物に行くが、一か月の予算を無視した金額の買い物になっていく。お金が足りないと市役所に抗議にいく。

市役所からは一人暮らしが難しいのではないか、施設入所を勧められる。本人拒否。

次は、自転車で外出し、家がわからず帰ってこれなくなった。大家さんがうろうろしている本人をたまたま見つけ、なんとか帰宅できた。自転車、かばん、衣服など住所、名前を記載した。

「もう一度施設考えませんか?」「そうだな。見に行ってみるか」

施設見学し、きれいな施設と喜んでいたが、いざ話が進んでいくと、「やっぱり、やめる」と言う。

看護師が配薬カレンダーにセットした薬が飲めなくなった。ぐちゃぐちゃにしてしまう。自転車で転んで怪我をした。幻覚症状が出始めた。

ケアマネ、大家さん、市役所職員、訪問看護師説得し、施設入所となった。しばらくは

施設へ訪問看護師がストマ交換に出向き、今までの生活の関係性が切れていないことを強調していった。

施設スタッフも丁寧に対応して下さり、1か月もすると完全に施設に慣れ、その中で自由な生活を送れるようになった。施設の看護師さんにストマ交換方法指導し、訪問看護は終了した。

本人は今でも自由に暮らしたいと思っているだろう。しかし現実は厳しい。事故にあったら誰が責任をとるのか?火事でもだしたらどうするか?

これから増える独居の高齢者。まだ施設に入れる方はいいが、そうでない高齢者をどう支えるのか・・・私たちの抱く不安を、行政は理解できているのだろうか・・・

誰しも、その場にならないと対応できないのが現実である。