samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

閉塞感

昔の病院は長期入院ができた。高齢者でも、出来る限りの治療を行い、リハビリもしてからの退院ができ、看護師も看護計画、看護過程の展開ができ、やりがいを持って仕事ができていた。

現在ではどうか・・・入院期間の短縮で入院は2週間から3週間。地域連携病床がある病院は転棟する。MSWは転院する病院、施設を探す。長期入院は病院が赤字になるからだ。在宅にもどりたくても、核家族化が進んだ今、どれだけの人が住み慣れた家に帰ることができるのか・・・病院医師も、在宅サービスの内容や在宅の現状を知らない。患者さんがどこに帰りたいのか興味がない。退院調整看護師が、在宅調整して、できるだけ在宅療養継続できる環境整え、訪問診療のできる医師を探し、一生懸命行っているのに、「どうせ、すぐ入院してくるんじゃないの」 すべて台無しにする言葉を発する。

在宅医療はどうか・・・在宅診療に特化した医院は何人もの医師が在籍し、ターミナルもしっかり診て下さるところもある。しかし、ほとんど1人院長で働いている医院が多い。一人では行えることに限界があり、土日や夜間深夜の見取りが難しくなる。よっぽど看取りに思いのある医師しか身を削って患者の最期まで支えられない。だから「何かあれば、救急車呼んで」という言葉がでのである。在宅での看取りをしてほしいと患者家族が思っていても、連休が続く場合や年末年始、医師の都合で希望はかなえられない。国が、在宅へのシフトを強化しているが、現実的に無理だ。訪問看護師の気持ちだけでは、在宅は支えられない。今までも、多くの失望を体験しながらも、自分たちにできることは何か模索してきた。私たちが諦めたらおしまいだから・・・看護師としてのモチベーションを失いかけても、何とか奮起してきた。

しかし、何ともいえないこの閉塞感は、ずーと心の中に潜んでいる。

閉塞感のある世の中で、人に寄り添える仕事をしている自分に、誇りをもてるように

これからも仕事をしていきたい。