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samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

ぎりぎりの生活

50才代の妻は神経難病を患っていた。介護をしながら4つのアルバイトをかけもちして夫は働いていた。朝4時に起き、新聞配達、7時に帰宅し30分後には出勤。昼1時間帰ってきても妻への食事準備・片付けで、夫自身がろくに食事をとれる余裕がない。4つのアルバイトしても収入はしれている。妻の週1回のデイサービスと食事代、オムツ代、訪問看護費用が出せる限界だった。

暖房のない部屋は、外よりも寒く感じた。電気ストーブをつけ、せめて熱い湯でタオルをしぼり、暖かいタオルで十分体を温める。「あーー、温かい・・・」冷たい足は、足浴をして足を暖めたあとクリームをつけてマッサージを行う。そうしないと凍傷にかかりそうであった。ベッドサイドにペットボトルが準備してるが、凍えそうな寒い部屋で冷たい水は飲めない。電子レンジで牛乳を暖め飲んで頂く。

ある日、市民病院から訪問看護ステーションへ電話があった。夫が泌尿器の精査検査に受診しないので連絡を取りたいとのことであった。以前から夫は血尿がでていた。訪問看護で何回も受診を勧め、やっと受診したあと、精査する必要があると言われているのに受診が途絶えていた。泌尿器の医師が心配していると・・・

夫にそのことを伝えた。「悪いことは分かっている。お金がないから治療できないし、その間 妻を施設へ預けるお金もない。ま、いいですは・・・死ぬときは死ぬだけです」

二人の娘さんに連絡をとり、状況説明。娘さんから説得してもらったが、頑として受け入れない。 夫にも覚悟があるのだろう。 

ぎりぎりの生活。結局、「無い袖は振れない」のである。

せめて、訪問看護で関わりながら、 こと夫婦を支えていくしかない。

これから、このような人びとが増える時代になってくる。