samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

訪問看護の伝承

介護保険が始まり17年経過した。その頃訪問看護ステーションを立ち上げた管理者が定年を迎えている。職場を去るにあたり次期管理者を立ててやめていくのであるが、後継者が育たず、廃業するステーションが多くあると聞く。

私も、現在勤務するステーションの前に、ある医療法人の後ろ盾で地元に訪問看護ステーションを立ち上げた。訪問看護がやりたかったから楽しくでたまらなかった。最初は365日緊急待機電話を持っていても苦にならず、働いていた。年々スタッフも増え、業績が伸びていったが、私の訪問看護への強い思いを引き継いでくれるスタッフは実際育っていなかった。

私は、依頼のあるすべても事例を断ったことがなかった。どんなに困難事例でも、自分だから調整できるんだと自負して働いていた。それは、患者さんをたらい回しにして難民にすることはできなかったから・・・。地元の医師からは信頼され、順調に運営できていた。しかし、私がそのステーションを去った後の管理者は、困難事例は断る、スタッフとの同行訪問をしない、など怠惰なものであったようである。それゆえ、業績不振で3年ほどで廃業した。

では、今働いているステーションでは育っているのか?

管理者の力量を持つスタッフは3人いる。しかし、実際管理の仕事となるとハードルが高くなる。事業所の運営(収益をあげて存続させる)や、スタッフ一人一人の力量を見極め、良い所は伸ばしながらさらにスキルアップできるように指導する、対外的に講演や会議への出席、看護学生の調整、看護の質向上への取り組みの継続指導、各ケアマニュアル整備と定期点検、毎月定期カンファレンス実施と研修実施、年2回の職員面接、事業報告など 数えきれない。

「私には 無理です」と大抵言われる。 でも、そろそろ少しづつ引き継ぎをしていかないといけない。2年後には私も定年だからだ。

「そんなに気負う事ないんじゃないの?誰かがやるよ。」と友人には言われる。

でも、60才という節目に、きちんと引き継いで安心してやめたいと思う気持ちは他の管理者も同じと思う。訪問看護・管理のすべてを伝承できるように後2年頑張りたい。