samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

頑固

「わしゃ、受診せん。明日になれば治る」

廊下で転倒し、右足の激痛で動けなくなった。お嫁さんと娘さんが家にあった板に本人を乗せ、ベッドへ運んだ。今日は、ストマ交換のため訪問する予定であったが、明日にしてほしいと連絡が入る。本人が嫌がるので明日まで様子みますとのことであったが、救急搬送を勧めた。本人の頑固たる拒否で、一晩過ごされた。

翌日、訪問。バイタルサイン異常なし。右大転子部発赤腫脹なし。しかし、本人は

「右足に触らんといて」という。食事がほとんど摂れていない。水分摂取もできておらず。

「どうして、受診したくないの?」「入院になって帰って来れなくなる」

「このままでは、今まで通り歩けなくなりますよ。右足に入っている金具が外れているかも知れないので、医師の診察だけ受けてください」しばらく説得して、やっと承諾してくれた。ストレッチャー移送サービス手配して、病院受診した。

お嫁さんから連絡が入る。「ありがとうございました。金属部分の脱臼でした。麻酔下で修復していただきます。明日には退院できそうです」

ケアマネが病院に様子を見に行った。

「看護師がごちゃごちゃ言うから病院来ただけだよ」

悪たれを言う患者だが、なぜか憎めない。