2016-01-01から1年間の記事一覧
少し前の話。 田舎の大きなお屋敷に90才の患者さんと93才の夫が暮らしていた。 90才の妻はパーキンソン病で寝たきり状態であった。 終末期。嚥下障害が進み、固形物は食べられなくなった。とろみをつけたり ゼリー食にするように説明。夫はある程度受け入れ…
今日で御用納め。癌末期や点滴の必要な方の訪問は年末年始まで続くが、事業所としての業務は終了する。1月から今まで約80人の新規患者を受け入れた。在宅での看取りは25名。12月に入り、多くのかたが亡くなり、利用者が減ったため、いろいろと見直す時間もで…
終末、鹿児島に旅行した。日々の喧騒を離れ、静かでゆっくりした時間を過ごせた。土日だけしか営業していないそば処「みなみ」で昼食。手打ちそばは昔、祖母が作ってくれた味と一緒で懐かしく暖かな気分になった。お客さんは私達だけ。挽きたてのコーヒーも…
寒くなって、最近多くの患者さんが亡くなっていく。 ご家族は「もっと看てあげればよかった」と涙する。看取りは、どんなに精魂こめて介護したとしても、残された家族には悔いが残る。思いが深いほど、悔いが残るような気がする。「こんなに一生懸命、暖かい…
「介護職に必要な医学知識」の講演を約100名の方に行ったアンケート結果がでた。 大変満足48名、満足39名、普通2名、やや不満1名。87名の方に満足以上を頂き、実際ほっとしている。せっかく講演するのだから、仕事を終わりの夜にわざわざ足を運んでいただい…
相手を思いやる心。それは、親・子供などの血縁に関係なく、ある程度、人として備わったものである。しかし、それが嫁、姑の関係になるとなぜか歪んで受け取られる。 お嫁さんが姑のことを思って、薄味にしたり、カロリーに気を配ったり、自立するために自分でで…
自宅で亡くなられた場合、2~3週間後にお線香を持って、お参りに伺う。 祭壇の前で、故人の思い出話しを聴くことができる。 病院から退院してくる時に、その妻は「私は看れませんよ。嫌です」と言った。 病院スタッフは、夫婦間で何かあったようだと言って…
70才代男性 胃癌肝臓転移の末期状態。治療効果なく緩和目的で訪問看護開始する。 富士山に10回以上登頂、フルマラソンも何回も出場するなどスポーツマンであった。 肝腫大で腹満があるにも関わらず、ジーパンをはいている。「お腹、きつくないです か?」「…
医院やクリニックでも訪問看護をしているところがある。 その医院と訪問看護と連携するときがある。点滴指示が口頭で言われる場合は、 必ず書面で頂きたい旨を連絡する。そうすると「後でだす。うちの医院はいつもそうしている」と返事がくる。 それは そこ…
70歳男性Kさん。糖尿病、脳梗塞、神経因性膀胱でほぼ寝たきり状態。 認知症の周辺症状である妄想、暴言・暴行行為が激しかった。 バイタルサインを測ろうとすると、暴言とともに看護師に殴りかかる、枕を投げる 妻が静止しようと手を握ると、妻の腕を思い…
管理者の仕事をしていると、どうしてもデスクワークが多くなり、運動不足になる。 医師への提出する書類を、近くの医院へ歩いて持っていくことにした。 普段は車でばかり移動しているため、あらためて街並みを眺める。 この川に鴨と白鷺がいたんだ・・・この…
介護職の方に必要な医療知識の講演を依頼されて、今資料を作っている。 普段 私達が何を考え、何を判断し、どのように対応しているかをわかりやすく まとめることがいかに難しいか痛感している。 この資料作りのために、ブログが書けなかった。 パワーポイン…
昔の病院は長期入院ができた。高齢者でも、出来る限りの治療を行い、リハビリもしてからの退院ができ、看護師も看護計画、看護過程の展開ができ、やりがいを持って仕事ができていた。 現在ではどうか・・・入院期間の短縮で入院は2週間から3週間。地域連携…
私の両親は信州で二人暮らしをしている。父は86才、母は83才。 父は最近ヘルニアの手術をしたため、帰省した時に患部を見させてほしいと言ったが 父は「大丈夫、ちゃんと先生に診てもらっているからいい」と見せてくれない。 料理の得意な父か、栄養バランスを考…
80代女性。糖尿病からくる神経障害で視力低下、神経因性膀胱から膀胱留置カテーテル管理が必要であった。認知症の進行から攻撃的行動、介護抵抗、妄想など周辺症状もみられ、留置カテーテルの自己抜去リスクがあり、毎日導尿のため訪問看護開始となった。 入院中は不…
70代女性、長年の喫煙が原因でCOPD発症。少し動くとSpO2値80%まで低下する。 日常生活、常時酸素吸入が必要であった。 元美容師のその方は、とてもおしゃれで、他人の目を気にされるため、外出の時こそ 酸素が必要なのに、あえて使用せず外出していた。 …
80才男性、肝臓がん末期。病院から訪問看護の依頼を受け、カンファレンスのため訪院する。 担当看護師からは「夫婦仲が悪いので在宅での看取りは無理だと思います。」 在宅に戻って、その言葉の意味が理解できた。 「動ないと歩けなくなるからトイレぐらい歩いて」…
介護保険制度が始まって、家政婦の仕事はだいぶ減った。しかし、まだ家政婦で働いている人も多い。 その家政婦さんは81歳。きちんとお化粧をして、吸引、胃瘻処置、排便処理、清拭など手際よくこなされていた。しかし、患者さんは夜間せん妄があり、寝るれ…
80才男性。胃癌の術後で寝ている時間が長く体力が低下していた。 手術は上手くいき、転移もない。きちんと栄養をとり、リハビリをして 体力の回復を待てばいい状態であった。 夫婦二人暮らし。寡黙な患者さんは、妻とほとんど会話しない。ケアマネが勧めるデ…
主治医に訪問看護指示書を頂き、訪問看護を行っている患者さんには、毎月「訪問看護計画書」と「訪問看護報告書」を提出する必要がある。訪問看護管理療養費の算定要件にもなっており、毎月主治医に提出している。 受け持ち看護師が、月終わりになってくると…
はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」 5年後は定年退職して家でゆっくり自分の時間を楽しんでいる予定。 長い間、仕事に追われてきた。好きな仕事であるため苦に思ったことはないが、年月を重ね 体は老いてきている。夕方、車…
年末に近づいてくると、いたる所で道路工事が始まる。患者さんの家にたどり着くまでに大回りをしたり、遠くに車を停めて、長い距離を歩いていかなければならない。 「工事しているから、入れないよ!」「すぐそこの家に行きたいんです。まだ、工事始まってい…
93才。女性。息子夫婦は母屋に住んでおり、廊下続きの離れに本人一人暮らし。 20年前・73才に大腸がんにてストマ造設。その後、自分でストマ管理していた。 今年、虚血性腸炎、総胆管結石で入院。退院後より、訪問看護の依頼があった。 初回訪問。10…
80代男性。一人暮らし。大腸がんを患い人工肛門(ストマ)造設しての退院であった。 一人でストマの処置ができないため、訪問看護が入ることになる。 きれい好きな患者さん。冬はストーブの上でアルミホイルにサツマイモを包み 焼き芋をつくっていた。部屋中…
神経難病の患者さんの在宅の調整をとってほしいと病院の退院調整の看護師さんから電話があった。家の中が足の踏み場もないとのこと。早速訪問。狭い家屋に中は、物であふれていた。とにかく片付けるしかない。患者は娘さん。介護者がご両親であった。 両親と…
地域包括ケア推進会議に参加している。医師会、歯科医師会、薬剤師会、病院、ケアマネジャー、施設、ヘルパー、訪問看護ステーションというメンバーで行政が司会進行をしている。 多職種連携の研修も2回開催し、参加者は「顔の見える関係ができてうれしい」…
長年訪問看護の仕事をしていると、その地域の医師、ケアマネ、サービス業者それぞれの特徴、人間性、思いなどすべて把握できるようになる。 病院のMSWから在宅医を教えてほしいと電話がはいったときは、疾患名や地域を聞いて医師を紹介する。 「癌末期であれ…
~紫陽花が家々の庭を彩るころになりました。 父が大変お世話になり、ありがとうございました。父に少しでもいろいろなことをやってあげたいという思い、こちらのわがままをお聞き下さり、本当にありがたく思っております。選択が正しかったのかどうかは、今…
患者さんがお亡くなりになった後、エンゼルケアを望まれた場合は、訪問看護師がご遺体のケアを行う。私は、ご家族とともにケアするようにしている。 生前行ったケアと同じように「○○さん、お体拭きますね。」「背中拭くので横むきますね」とすべて声をかけて…
80才代胃癌末期の患者さんの退院時共同指導に、病棟医、病棟看護師、退院調整看護師、薬剤師、理学療法士、癌性疼痛認定看護師、在宅医、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具業者が集まった。 妻は「こんなに大勢の方にお世話になるん…