2016-01-01から1年間の記事一覧
最近できた訪問看護ステーションの管理者が、また変わった。 訪問看護ステーションが儲かると思い、立ち上げた企業のステーションが1年もたたないうちに廃止となった。 どちらも 管理者の経験がなく、挨拶回りの時に「何をしていいかわからないが、とりあえ…
歳を重ねるとともに、日頃の疲れがとれなくなってくる。 健康のために何十年と朝、キュウーサイの青汁は飲んでいる。 マッサージにも通った。最初は40分程度のマッサージ時間が60分、90分と増えていく。時間が長くなった見返りに、翌日の揉みかえしで…
65才男性。交通事故、頸髄損傷にて手術施行。1年のリハビリを経て介助で歩行できるまでになった。神経障害から膀胱留置カテーテル管理必要。退院後は、デイケア週2回、訪問リハビリ週2回、訪問看護週2回受け、残存機能維持ができている。 夫婦の共通の楽しみはパチン…
病院勤務は夜勤もあり大変であったが、心臓病の中枢を担う病棟でやりがいを持って働いていた。しかし、高齢者は積極的な治療ができず、重度の心臓病を患っていると、安静を強いられ長い闘病生活を送っていた。 ある日、85才女性の病室を訪れた時のことである…
90才の母親と70代の息子さん二人暮らし。バブルの時は1日で200万円使ったと訪問の度に言われていた息子さん。事業に失敗し、アパート住まい。 暖房がないため、毎年冬は寒さとの我慢くらべであった。 リウマチを患う息子さんは重たい物を持てず、灯油を使っ…
私は時々ステーション近くのコンビニで昼食を購入する。 いつも多くの高齢な方の買い物に遭遇する。 惣菜、弁当、菓子などかなりの量購入する方も多い。 遠くのスーパーに買い物に行けないのだろう、少し円背で、小柄な老女は 白髪をきれいにまとめ、きちん…
夏の時期、オムツを使用している患者さんは皮膚トラブルをおこしやすい。 排尿して、すぐオムツ交換して下さる場合はいいが、多くの場合、介護者側の都合が優先される。尿は排泄されて以降、時間経過とともにアルカリ性に変化するため、皮膚へのダメージが大…
職員面接の時期がきた。 年2回、夏と冬に自己評価と今後の課題を見出す機会としている。 各自ポートフォリオのファイルを持って、面接に臨む。 研修で何を学び、仕事でどのように生かせているか、今後の自分の課題は?家庭のこと、体調はどうか、給与への不満…
同居している姑の認知症の症状は、買い物でお金を支払う時に、1000円札しか出さないことからはじまった。キッチンペーパーを押入れ半分占拠するほど出かける度に買ってきた。 料理の手順を忘れてしまい、カレーライスを作ると、ルーまで入れて最後の仕上げに…
少子高齢化、要介護認定者の増加、単独世帯の増加ー2035年には75才以上の一人暮らしが466万人になると推計されており、地域包括ケアシステムの構築が必要と国は示している。 住み慣れた地域で安心して尊厳あるその人らしい生活を継続することができるように…
70才後半の多系統委縮症の妻は、どんどん嚥下障害が進み、経口摂取できなくなっていった。 誤嚥性肺炎を繰り返し、医師からは胃瘻を造るか、このまま自然に任せるかのICがなされた。苦労を共にしてきた妻を見放すことができなかった。 「胃瘻にして下さい。…
国が残薬の管理にのりだした。 在宅で暮らす75才以上の高齢者の残薬、およそ475億円。 訪問看護では、訪問するすべての患者さんの服薬管理行っている。 きちんと確実に飲まれているのは、ごくまれである。 何のための服用しているか、わからない患者さんもい…
1973年老人福祉法が改正され、高齢者の医療費負担が無料化となった。10年続いたこの制度で、必要もないのに受診して、もらえるだけの薬をもらっていた高齢者もいた。昔、私が病院勤務をしていた頃は、どんなに高齢であってもとことん治療した。 長い間…
80代後半女性。ひとり暮らし。認知症症状が徐々に悪化していった。 その患者さんは、車の運転をしていた。週1回服薬管理の為に訪問していたが、 訪問時間を忘れてしまい、留守にしていることが多かった。 だいたいその時間は、近くに喫茶店に行っているの…
90歳。寝たきり状態の患者さん。神経因性膀胱のため膀胱留置カテーテル管理中。 排便困難もあり、定期的に排便介助していた。 週1回の訪問看護。順調に経過し、暑い夏も脱水おこすことなく過ぎた。 ある日、訪問した看護師が言った。「仙骨部に褥瘡ができてい…
神経難病、脳梗塞後遺症で寝たきりの患者さんたちは、 「背中が暑い」と今年の夏も言った。 エアーマットに常時寝ていて、一日に数時間しか座位をとる時間もない。 背中が蒸れる。換気のついたエアーマットもあるが、やはり暑い。 小児患者さんが使用してい…
「丁寧で心のこもった看護に感謝する。ありがとう。病院の看護師とは雲泥の差だ」 肺がん末期。病院ではつらい治療の毎日だった。 在宅での看取りを希望して、家族が奔走し、訪問看護ステーションに依頼がきた。 あまり残された時間がないので、在宅医を早急…
「先生こんなもの置いて行った。家では死ねないかもしれない」 そこには病院あての紹介状が置いてあった。 「A先生。患者さんも家族も家で最期を迎えたいと思って頑張ってきたんです」 「連休旅行に行くんだよね。日本にいないから。何かあったら、救急車で…
訪問看護ステーションへは、さまざまな試供品が届く。 水分補給ゼリー、服薬ゼリー、栄養補助食品、おむつ・・・ すべて根拠のある良い製品であることはわかっているが、患者さんや家族に 製品の説明をしても「値段が高いから無理」と言われてしまう。 しか…
「わしゃ、受診せん。明日になれば治る」 廊下で転倒し、右足の激痛で動けなくなった。お嫁さんと娘さんが家にあった板に本人を乗せ、ベッドへ運んだ。今日は、ストマ交換のため訪問する予定であったが、明日にしてほしいと連絡が入る。本人が嫌がるので明日…
その看護師は就職するときに「まだ結婚はしません」と言った。 しかし、しばらくして結婚した。そして妊娠も隠していた。 どうして隠す必要があるの? 以前の勤めていた職場で、結婚したり、妊娠した人に対して上司が嫌がらせをしたからだと言った。 私も、…
その患者さんは、戦争中にゼロ戦に乗っていた。あと数日終戦が遅かったら、今の自分はなかったと言う。胃癌で寝たきり状態であった。 86才の妻は認知症が進行し、さっき行っていたことも忘れ、何度も何度も同じ質問を繰り返す。「看護師さん、私薬飲んだか…
80代夫婦二人暮らし。夫は心不全、呼吸不全がありほぼ寝たきり状態。 ASV管理が必要で、週1回訪問看護に伺っていた。 ある朝、妻から電話が入る。「私が転んで怪我したからきてほしい」 訪問看護ステーションへ緊急連絡が入る。 妻は、体重計を移動させよ…
国家資格をとり初めての夜勤で患者さんの死を体験した。 38歳女性子宮がんで逝かれた。幼い子供が泣き叫ぶ中で、私は涙を流していた。 「看護師が泣いてどうするの!仕事にならないでしょう」と先輩看護師から怒鳴られた。その後、どのようにして働いたか記…
「私のやり方でよかったでしょうか」 看護師は常に自分の看護が正しかったか考える。あの時、こうしておけば良かった、 もっと言葉をかけておけば良かったなどとと振り返る。 「あなたが今持てる力すべて出して一生懸命行った看護は、必ず患者さんに伝わって…
「ちょっとそこまで来たから寄った。10時30分になっても誰も来ないから」 その夫の妻は60歳代で膵臓がんで亡くなった。夫の定年後、これから二人で旅行でもしようかと思っていた矢先のことである。 家事をしたことのない夫は、一生懸命介護しながら家…
介護保険制度が開始される時に、訪問看護ステーションを立ち上げた。 その地域ではまったく認知されていない状況のため、病院の看護部長、各階の看護師長、ケアマネジャー、各開業医すべてに挨拶まわりをした。 ある病院では「自分の病院にも訪問看護ステー…
「患者さんの前でマスクするのは失礼ではないですか?」 「自分の身を守るためよ」 私は、過去2回結核患者と接し、保健所での追跡検査を受けている。 1回目。地域包括支援センターより呼吸不全の患者の訪問看護の依頼があった。 初回訪問時、患者さんがい…
90才のなった頃より食事が徐々に食べれなくなってきた。家族は高齢でもあるし 自然の状態で看ていきたいと希望した。一時は看取りまで考えた時期もあった。 患者さんは、歯が全くなかったが、話しをすることができた。 一度、アイートを試してみませんか?…
40代子宮がんで長い闘病生活を経て永眠された。 夫は生前「おれがやさしい言葉をかけたら、あいつはだめになってしまう」と言い、 妻に対して「自分で動かないと寝たきりになる」「この痛み止め使ったら、眠気が強くなるから使ったらだめだ」と、ことある…