samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

生きた証し

寒くなって、最近多くの患者さんが亡くなっていく。

ご家族は「もっと看てあげればよかった」と涙する。看取りは、どんなに精魂こめて介護したとしても、残された家族には悔いが残る。思いが深いほど、悔いが残るような気がする。「こんなに一生懸命、暖かい介護をされて、幸せだったと思いますよ。○○さんらしい最期でしたね」

あらためて訪問看護師に言われたことで、ご家族は救われると言われる。

涙を流しながらも、「本当にお世話になりました。看護師さんが清拭して下さったあと、とっても気持ち良かったらしく、コーラを1杯おいしそうに飲みほしたんです。その夜、私と娘が見守る中、本当に静かに・・・息が止まったことがわからないくらいに息を引き取ったんです。」

訪問看護師との患者さんの関わりを思い出しながら、最期には笑顔になる。悲しみの中に、しっかり看取った満足がある。

遺影は、旅行に行った時の帽子をかぶり、とびっきりの笑顔の写真。そこに、この患者さんが「生きた証し」があった。

こんなふうに、患者さんご家族と共に過ごした最期に時を一緒に振り返り、思いを共有できるのも訪問看護の魅力である。