samansa59’s blog

訪問看護の仕事の中で感じたことなど自由に書いていきます。

強み

長年訪問看護の仕事をしていると、その地域の医師、ケアマネ、サービス業者それぞれの特徴、人間性、思いなどすべて把握できるようになる。 病院のMSWから在宅医を教えてほしいと電話がはいったときは、疾患名や地域を聞いて医師を紹介する。 「癌末期であれ…

家族からの手紙

~紫陽花が家々の庭を彩るころになりました。 父が大変お世話になり、ありがとうございました。父に少しでもいろいろなことをやってあげたいという思い、こちらのわがままをお聞き下さり、本当にありがたく思っております。選択が正しかったのかどうかは、今…

エンゼルメイク

患者さんがお亡くなりになった後、エンゼルケアを望まれた場合は、訪問看護師がご遺体のケアを行う。私は、ご家族とともにケアするようにしている。 生前行ったケアと同じように「○○さん、お体拭きますね。」「背中拭くので横むきますね」とすべて声をかけて…

看護連携

80才代胃癌末期の患者さんの退院時共同指導に、病棟医、病棟看護師、退院調整看護師、薬剤師、理学療法士、癌性疼痛認定看護師、在宅医、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具業者が集まった。 妻は「こんなに大勢の方にお世話になるん…

訪問看護の管理者

最近できた訪問看護ステーションの管理者が、また変わった。 訪問看護ステーションが儲かると思い、立ち上げた企業のステーションが1年もたたないうちに廃止となった。 どちらも 管理者の経験がなく、挨拶回りの時に「何をしていいかわからないが、とりあえ…

体のメンテナンス

歳を重ねるとともに、日頃の疲れがとれなくなってくる。 健康のために何十年と朝、キュウーサイの青汁は飲んでいる。 マッサージにも通った。最初は40分程度のマッサージ時間が60分、90分と増えていく。時間が長くなった見返りに、翌日の揉みかえしで…

パチンコ

65才男性。交通事故、頸髄損傷にて手術施行。1年のリハビリを経て介助で歩行できるまでになった。神経障害から膀胱留置カテーテル管理必要。退院後は、デイケア週2回、訪問リハビリ週2回、訪問看護週2回受け、残存機能維持ができている。 夫婦の共通の楽しみはパチン…

訪問看護師になった理由

病院勤務は夜勤もあり大変であったが、心臓病の中枢を担う病棟でやりがいを持って働いていた。しかし、高齢者は積極的な治療ができず、重度の心臓病を患っていると、安静を強いられ長い闘病生活を送っていた。 ある日、85才女性の病室を訪れた時のことである…

使い捨てホッカイロ

90才の母親と70代の息子さん二人暮らし。バブルの時は1日で200万円使ったと訪問の度に言われていた息子さん。事業に失敗し、アパート住まい。 暖房がないため、毎年冬は寒さとの我慢くらべであった。 リウマチを患う息子さんは重たい物を持てず、灯油を使っ…

コンビニ

私は時々ステーション近くのコンビニで昼食を購入する。 いつも多くの高齢な方の買い物に遭遇する。 惣菜、弁当、菓子などかなりの量購入する方も多い。 遠くのスーパーに買い物に行けないのだろう、少し円背で、小柄な老女は 白髪をきれいにまとめ、きちん…

陰部のスキンケア

夏の時期、オムツを使用している患者さんは皮膚トラブルをおこしやすい。 排尿して、すぐオムツ交換して下さる場合はいいが、多くの場合、介護者側の都合が優先される。尿は排泄されて以降、時間経過とともにアルカリ性に変化するため、皮膚へのダメージが大…

職員面接

職員面接の時期がきた。 年2回、夏と冬に自己評価と今後の課題を見出す機会としている。 各自ポートフォリオのファイルを持って、面接に臨む。 研修で何を学び、仕事でどのように生かせているか、今後の自分の課題は?家庭のこと、体調はどうか、給与への不満…

姑の介護

同居している姑の認知症の症状は、買い物でお金を支払う時に、1000円札しか出さないことからはじまった。キッチンペーパーを押入れ半分占拠するほど出かける度に買ってきた。 料理の手順を忘れてしまい、カレーライスを作ると、ルーまで入れて最後の仕上げに…

地域包括ケア

少子高齢化、要介護認定者の増加、単独世帯の増加ー2035年には75才以上の一人暮らしが466万人になると推計されており、地域包括ケアシステムの構築が必要と国は示している。 住み慣れた地域で安心して尊厳あるその人らしい生活を継続することができるように…

介護の限界

70才後半の多系統委縮症の妻は、どんどん嚥下障害が進み、経口摂取できなくなっていった。 誤嚥性肺炎を繰り返し、医師からは胃瘻を造るか、このまま自然に任せるかのICがなされた。苦労を共にしてきた妻を見放すことができなかった。 「胃瘻にして下さい。…

残薬

国が残薬の管理にのりだした。 在宅で暮らす75才以上の高齢者の残薬、およそ475億円。 訪問看護では、訪問するすべての患者さんの服薬管理行っている。 きちんと確実に飲まれているのは、ごくまれである。 何のための服用しているか、わからない患者さんもい…

命の長さ

1973年老人福祉法が改正され、高齢者の医療費負担が無料化となった。10年続いたこの制度で、必要もないのに受診して、もらえるだけの薬をもらっていた高齢者もいた。昔、私が病院勤務をしていた頃は、どんなに高齢であってもとことん治療した。 長い間…

認知症高齢者と車

80代後半女性。ひとり暮らし。認知症症状が徐々に悪化していった。 その患者さんは、車の運転をしていた。週1回服薬管理の為に訪問していたが、 訪問時間を忘れてしまい、留守にしていることが多かった。 だいたいその時間は、近くに喫茶店に行っているの…

ケアマネージャーの質

90歳。寝たきり状態の患者さん。神経因性膀胱のため膀胱留置カテーテル管理中。 排便困難もあり、定期的に排便介助していた。 週1回の訪問看護。順調に経過し、暑い夏も脱水おこすことなく過ぎた。 ある日、訪問した看護師が言った。「仙骨部に褥瘡ができてい…

せん風マットレス

神経難病、脳梗塞後遺症で寝たきりの患者さんたちは、 「背中が暑い」と今年の夏も言った。 エアーマットに常時寝ていて、一日に数時間しか座位をとる時間もない。 背中が蒸れる。換気のついたエアーマットもあるが、やはり暑い。 小児患者さんが使用してい…

訪問看護の仕事

「丁寧で心のこもった看護に感謝する。ありがとう。病院の看護師とは雲泥の差だ」 肺がん末期。病院ではつらい治療の毎日だった。 在宅での看取りを希望して、家族が奔走し、訪問看護ステーションに依頼がきた。 あまり残された時間がないので、在宅医を早急…

医師の都合

「先生こんなもの置いて行った。家では死ねないかもしれない」 そこには病院あての紹介状が置いてあった。 「A先生。患者さんも家族も家で最期を迎えたいと思って頑張ってきたんです」 「連休旅行に行くんだよね。日本にいないから。何かあったら、救急車で…

一石二鳥

訪問看護ステーションへは、さまざまな試供品が届く。 水分補給ゼリー、服薬ゼリー、栄養補助食品、おむつ・・・ すべて根拠のある良い製品であることはわかっているが、患者さんや家族に 製品の説明をしても「値段が高いから無理」と言われてしまう。 しか…

頑固

「わしゃ、受診せん。明日になれば治る」 廊下で転倒し、右足の激痛で動けなくなった。お嫁さんと娘さんが家にあった板に本人を乗せ、ベッドへ運んだ。今日は、ストマ交換のため訪問する予定であったが、明日にしてほしいと連絡が入る。本人が嫌がるので明日…

結婚、出産、育児休暇

その看護師は就職するときに「まだ結婚はしません」と言った。 しかし、しばらくして結婚した。そして妊娠も隠していた。 どうして隠す必要があるの? 以前の勤めていた職場で、結婚したり、妊娠した人に対して上司が嫌がらせをしたからだと言った。 私も、…

日本男児

その患者さんは、戦争中にゼロ戦に乗っていた。あと数日終戦が遅かったら、今の自分はなかったと言う。胃癌で寝たきり状態であった。 86才の妻は認知症が進行し、さっき行っていたことも忘れ、何度も何度も同じ質問を繰り返す。「看護師さん、私薬飲んだか…

介護者の怪我

80代夫婦二人暮らし。夫は心不全、呼吸不全がありほぼ寝たきり状態。 ASV管理が必要で、週1回訪問看護に伺っていた。 ある朝、妻から電話が入る。「私が転んで怪我したからきてほしい」 訪問看護ステーションへ緊急連絡が入る。 妻は、体重計を移動させよ…

国家資格をとり初めての夜勤で患者さんの死を体験した。 38歳女性子宮がんで逝かれた。幼い子供が泣き叫ぶ中で、私は涙を流していた。 「看護師が泣いてどうするの!仕事にならないでしょう」と先輩看護師から怒鳴られた。その後、どのようにして働いたか記…

経験知

「私のやり方でよかったでしょうか」 看護師は常に自分の看護が正しかったか考える。あの時、こうしておけば良かった、 もっと言葉をかけておけば良かったなどとと振り返る。 「あなたが今持てる力すべて出して一生懸命行った看護は、必ず患者さんに伝わって…

10時30分

「ちょっとそこまで来たから寄った。10時30分になっても誰も来ないから」 その夫の妻は60歳代で膵臓がんで亡くなった。夫の定年後、これから二人で旅行でもしようかと思っていた矢先のことである。 家事をしたことのない夫は、一生懸命介護しながら家…

訪問看護の営業

介護保険制度が開始される時に、訪問看護ステーションを立ち上げた。 その地域ではまったく認知されていない状況のため、病院の看護部長、各階の看護師長、ケアマネジャー、各開業医すべてに挨拶まわりをした。 ある病院では「自分の病院にも訪問看護ステー…

マスク

「患者さんの前でマスクするのは失礼ではないですか?」 「自分の身を守るためよ」 私は、過去2回結核患者と接し、保健所での追跡検査を受けている。 1回目。地域包括支援センターより呼吸不全の患者の訪問看護の依頼があった。 初回訪問時、患者さんがい…

アイート

90才のなった頃より食事が徐々に食べれなくなってきた。家族は高齢でもあるし 自然の状態で看ていきたいと希望した。一時は看取りまで考えた時期もあった。 患者さんは、歯が全くなかったが、話しをすることができた。 一度、アイートを試してみませんか?…

家族の悲嘆

40代子宮がんで長い闘病生活を経て永眠された。 夫は生前「おれがやさしい言葉をかけたら、あいつはだめになってしまう」と言い、 妻に対して「自分で動かないと寝たきりになる」「この痛み止め使ったら、眠気が強くなるから使ったらだめだ」と、ことある…

清拭の値段

介護保険が始まった頃、ケアマネジャーがよく言っていた。 「清拭するなら、ヘルパーさんの方が安い」安い高いの問題? 看護師は患者さんの病態を勘案し、仰臥位で行うか端坐位で行えるか考える。 病態が芳しくない場合はなるべく短時間に最小限の体位変換で…

やり遂げる

80才代男性。胃癌末期。CVポートからの高カロリー輸液での退院であった。 自分に残されている時間が少ないとわかっている患者さんは、人生の最期までにやり遂げることを決めていた。 旧友と大好きな山での再会、200冊ある本の整理、80才になる妻が、まだオー…

医師の性格

訪問看護を始めたことは、開業医の先生に顔を覚えてほしくて、どんなことも各医院やクリニックへ出向いて報告していた。患者さんが多く混んでいる医院には、夕診がすんだ頃を見計らって訪問していた。 いろいろな先生がいる。 暖かくねぎらって下さる先生に…

誇り

全国訪問事業協会から、訪問看護ステーションの管理者に15年以上携わっている人を表彰して下さる便りが届いた。私は、自分へのご褒美と思い、東京で開催される表彰式に参加することにした。 当日集まってきた管理者たちは、数多くの事業を立ち上げたり、功…

弱酸性オムツ

オムツを使用している高齢者は多い。費用がかさむため、どうしても安いオムツを準備する家族も多い。しかし、オムツひとつとっても、いろいろな種類がある。 最近褥瘡学会で弱酸性オムツのパンフレットを頂いた。 健常者の尿は本来弱酸性である。しかし排泄…

腹臥位療法

寝たきりの患者さんは、どうしても廃用性症候群併発しやすい。寝かせきりになっているからだ。私は、そのような患者さんに腹臥位療法を訪問時間内で行っている。本来であれば、1時間以上行った方がいいが、限られた時間内で他のケアも行うため、10分と決めて…

ネイル

その患者さんは、結婚して間もなく喉頭がんがみつかった。抗がん剤治療などおこなったが効果なく、最期を家で迎えたいと退院した。美しい顔立ちは半分病気にむしばまれていた。舌が浮腫み歯で噛んでしまうため出血が続いた。 夫は仕事を休み介護に専念された…

訪問看護を始めた頃

私が訪問看護を始めた時は、まだ介護保険が始まる前であり、1回の利用料は、老人訪問看護利用料250円+交通費250円=500円であった。 訪問入浴は、月に1回程度しか利用できず、ヘルパーも障害など限られた人にしか訪問していなかった。 仕事を始…

心に残る患者さん

40才代、肝臓がん末期で腹水著明、歩行もやっとの状態で退院された。 家では、認知症で記憶障害のある姑、夫の3人暮らし。控えめで礼儀正しい患者さんであった。痛みをがまんする傾向にあったため、ペインスケール評価や夜間の睡眠状況、日常生活えの影響な…

在宅を整えるとは

80才代 脳梗塞でほぼ寝たきり、老老介護で妻も高齢であるため、ケアマネジャーは介護負担の軽減のため、週5日のデイサービスを導入した。 しかし、入退院を繰り返し少しも安定した状態を維持できなかった。 病院MSWから訪問看護の依頼があった。 誤嚥性肺炎…

四季の介護

めっきり寒くなってきた。 日本の四季は本来、それぞれの時期風情があって美しいと思う。 しかし、在宅看護にとってはなかなか苦労が多い。 夏の時期は、クーラーを使って熱中症にならないうように、水分摂取を促しても 「飲みたくない」「トイレが近くなる…

退院時共同指導

入院中の患者さんが退院し、在宅で訪問看護が必要時は、退院前に「退院時共同指導」として、病院に医師・在宅医師・病棟看護師・訪問看護師・ケアマネジャーなどが出向き、会議が開催される。 これが、その病院のMSWや退院調整看護師のスキルによって、実り…

看護師の責任

訪問看護の仕事を望み、入職するが短期間で辞めていく。短い人では3日で終わる。 たった3日で何がわかるのか?その看護師にとって、訪問看護の仕事は何だったのか? 辞めていく看護師が言う。「こんなに責任のある仕事と思わなかった」 看護師の専門職として…

満足な最期

ケアマネジャーから在宅での看取りをしたい患者さんがいると相談があった。肺がん末期、癌性疼痛が強く、呼吸苦も強かったので、看取りを考慮して癌性疼痛管理に強い医師を紹介。病院主治医と在宅医の連携のもと、在宅へ戻った。ご家族は、とても献身的に介…

家族指導

病院から退院して家に戻る場合、家でも医療処置が必要な方には訪問看護が入り、病院と同じように医療処置を家で行っていくことになる。 退院前に病院で医師・看護師・訪問看護師・ケアマネジャーなどが集まりカンファレンスが開催される。病棟看護師は「息子…